弥生研究所

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200kmブルベで土砂降りに遭ったはなし

今日は、200kmブルベで雨に降られたときの話をします。 雨に降られるとどうなるのか、どういう対策ができるのかを考えます。

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170kmを過ぎた地点。残すチェックポイントもあとひとつ。そう思いつつ、ひたすら走ることに集中していると、なにやらアイウェアに水滴が。あれ、なんかポツポツ雨が降ってきたのを感じる。

雲行きが怪しいなと思っていたが、とうとう降り出したか。どうしよう。雨宿りしようか。でも時間に余裕もない。次のチェックポイントのコンビニまで30分くらいだから、とりあえずそこまで行くか。そうこう考えながらペダルを回しているうちに、雨足はどんどん強くなり、雨は本降りを通り越して、土砂降りになる。

あっというまに濡れネズミになりながら、ふと遭遇したコンビニにたまらず入り込む。補給をしつつ、スマホを開いて天気予報をチェックする。心が焦る。果たしてこの雨は弱まるのか、弱まらないのか。チェックポイントまであと数キロなのに強制休憩となった。諦めてDNFするとしても、最寄りの駅はどこだ? くそっ、迷っているこの時間すら勿体ない。

ええい、面倒だ。今は真夏。雨の中の強行軍など何程のことがあろうか。私は勇んでコンビニを出ると、土砂降りの中、ロードバイクにまたがった。こののち、10kmも進まずにDNFすることなど、この時の私は知る由もなかった。


雨の洗礼

人生で2回目のブルベで、強烈な土砂降りに遭遇したことがあります。当時、私はまだ時間内に完走したことがなかったので、完走を意気込んでいる私の心は、無残にも打ち砕かれたのでした。当日行われていた花火大会も中止になって、浴衣を着た人たちに紛れて輪行したのを覚えています。濡れて生臭くなった体で電車に乗るのは、実に肩身の狭い経験でした。

雨などの天候条件は、完全な運と言えるでしょう。当日は、雨の予報は無くて、そのため、中止になった花火大会の様子も、ニュースで取り上げられるほどでした。まさにゲリラ豪雨というものです。シューズの中に水がどっさりたまるほどの強い雨でした。その雨は、結局、その強さのまま2、3時間は降り続けました。

私が、DNFしたもっとも直接的な理由は、雨によってブレーキの利きが悪くなったからです。雨に遭遇した場所が、丘陵地帯というような場所で、小さな上りと下りを繰り返すような場所でした。ブレーキの利きが悪くなると、その下りが怖いのです。雨が降ってから10kmほど走りましたが、要した時間は1時間半でした。雨の下りは地獄です。斜度のきつい場所は、ロードバイクを降りて歩くほどでした。登りで足をつくのなら分かりますが、下りで足をつくとは思いませんでした。

DNFし、輪行するにあたって、コンビニでタオルを買って、濡れた体をふいたのですが、生乾きなのは変わりません。幾ら真夏と言えども、冷房の効いた電車の中では寒かったです。生乾きでは座席にも座れません。私はウインドブレーカーで冷房をしのぎました。幸い風邪をひくことはありませんでしたが、体を雨で濡らすような走り方は、体温管理の点で、まず真夏以外は不可能でしょう。輪行経験はあったので、輪行袋に自転車を詰めて輪行すること自体には何の問題もありませんでした。最寄り駅まで、傘をさして自転車を引きながら30分近く歩いたのがつらかったですが。

雨のリスク

雨のリスクは次の2つです。

  • 体が濡れる
  • ブレーキの利きが悪くなる

雨対策

対策として元も子もないのですが、個人的には、雨が降ってきたら、半分諦めたほうが良いと思います。完走よりも安全を優先すべきです。視界は悪くなるし、ブレーキの利きも悪くなる。それは走っている自分だけでなく、車道を走る車も同じです。体が濡れると体温が下がるのは当たり前ですね。濡れた体を乾かすのは大変ですし、濡れたままでは、電車、バス、タクシーなどの公共交通機関を利用しづらくなります。ずぶぬれになって、身も心も疲れ果ててからDNFするよりは、余裕をもってDNFしたほうが良いです。

雨が降ってきたら、まずやるべきことは、雨宿りする場所を探すことです。次のチェックポイントまでとか、欲張ってはいけません。もし、雨足が強くなれば、その欲もかき消えます。重要なのは、雨の強さです。走るかどうかの判断基準は体が濡れるかどうかになります。体が濡れない程度の雨ならば走っても良いでしょう。体が濡れてしまうと、DNFした後の行動にまで制限が出るので、とにかく体を濡らさないことが重要です。雨が降ってきたら、小降りのうちに雨宿りして天気予報をチェックしましょう。

レインウェアを着て走り続けることもできますが、ブレーキの利きの悪さを解決することはできません。ご褒美の飴であるはずの下りが、雨が降ると一転、鞭に変わります。平地ならば、まだスピードを抑えつつ走ることもできるでしょうが、下りは走行困難なレベルになる場合があります。本来は距離を稼いで時間を短縮するチャンスの下りで、時間をロスするのは致命的です。雨が降り出したら、残りのコース展開を考えましょう。下り基調だったり、上りや下りを繰り返す場合は、非常に危険です。無理は禁物です。

まとめ

こういうトラブルもブルベの楽しみのひとつです。 くれぐれも無理をせずに、ときには諦めることも大切です。