弥生研究所

人は誰しもが生きることの専門家である

【Factorio】Kovarex濃縮プロセス【回路ネットワーク】

回路ネットワーク 難易度
実践編

Factorio では原子力発電まで手を出さなくても、ロケットを打ち上げてクリアすることが可能です。ただし、工場を大規模化していくと、間違いなく誰もが行き着くのが原子力発電です。

原子力発電を運用すると、蒸気機関に比べて、面積占有的にも、材料消費的にも、高効率であることが体感的に分かります。ただし、これは、燃料棒の生産が安定して初めて言えることです。燃料棒の熱量は1本あたり 8GJ で、石炭1個が 4MJ であることを考えると、その効率の高さが伺えます。1個のウラン235から10本の燃料棒が作れます。原子力発電のボトルネックウラン235の生産にあります。

10個のウラン鉱石は遠心分離機によって、0.7%の確率で1個のウラン235が、99.3%の確率で1個のウラン238が生産されます。10000個のウラン鉱石からウラン235がとれる見込みの個数は、たったの7個です。しかも、確率なので、10000個のウラン鉱石を消費して、1000個すべてがウラン238の可能性もあります。

したがって、遠心分離機でウラン鉱石を精錬するだけでは、原子力発電は滞ります。そこで用意されているのが、Kovarex 濃縮プロセスです。

消費 数(個) 生産 数(個)
ウラン235 40 ウラン235 41
ウラン238 5 ウラン238 2

これは、簡単に説明するならば、3個のウラン238から1個のウラン235を生産するものです。遠心分離機が10個のウラン鉱石から0.7%の確率で1個のウラン235を生産するのと比べると、格段の差があります。ここまで来てようやく、安定した燃料棒を供給するだけのウラン235を用意することができます。

ただし、Kovarex 濃縮プロセスには、ほかの設備にはない一つの特徴があります。それは、材料として入れたアイテムと同じアイテムが、数量だけ変えて製品として出てくるという点です。したがって、ラインを組もうとすると、今までとは違う工夫が必要になります。

今回は、原子力発電に必須ともいえる Kovarex 濃縮プロセスを効率化するための回路ネットワークを紹介します。

動作確認

まず、最初に動作から確認しましょう

f:id:yayoi-tech:20200128182852g:plain

ウラン235の余剰の1個は下流へと流れ、ウラン238は必要数だけ搬入しています。

レイアウトと仕様

f:id:yayoi-tech:20200128180837j:plain
レイアウト(クリックすると拡大します)

解説

Kovarex 濃縮プロセスの最大の問題は、吐き出されたウラン235、41個と、ウラン238、2個のうち、余剰分のウラン235、1個を除いた残りを、再び材料として再投入したい、という点です。

入力と出力のアイテムが同じため、搬入ラインと搬出ラインを安易につなげると、ラインに材料(ウラン238)が充満したときに、搬出が行われず稼働が停止します。そこで、今回は、ウラン238の搬出ラインと搬入ラインを分けています。

1:フィルターインサータ(ウラン235搬出用)

生産したウラン235、41個を搬出します。搬入用の2番の高速インサータとスタックサイズを合わせています。

2:高速インサータ(ウラン235搬入用)

ウラン235を搬入します。スタックサイズを2にすることで、ラインの上流から流れてきた41個のウラン235のうち、必要な40個を遠心分離機に搬入し、余剰の1個を下流に流します。搬出用の1番のフィルターインサータと速度を合わせるため、高速インサータにしています。

3:フィルターインサータ(ウラン238搬出用)

生産した2個のウラン238を搬出します。搬出した2個のウラン238は、再搬入用のインサータによって再び遠心分離機に搬入されます。4番のインサータと回路ネットワークで接続しており、3番のインサータが動いたとき、4番のインサータが動きます。これにより、遠心分離機には常にピッタリ5個のウラン238を搬入することになります。

4:ロングアームインサータ(ウラン238搬入用)

Kovarex では、ウラン238を5個搬入して、3個消費し、2個搬出します。消費した3個分のウラン238を補充するのがこのインサータの役割です。3番のインサータと回路ネットワークで接続しており、3番のインサータの稼働に合わせて稼働します。搬出1回につき、搬入1回しか行わないので、スタックサイズが3になっていることが重要です。研究の進捗具合でスタックボーナスを得ていない場合は、スタックインサータなどで代用する必要があります。

5:高速インサータ(ウラン238"再"搬入用)

レイアウト画像には番号を振っていませんが、右側中央の高速インサータです。このインサータは回路には繋がず、スタックサイズも変更しない、バニラの状態です。単純に搬出された2個のウラン238を再び遠心分離機に搬入します。

課題

動かしてみると、ケーブル一本で構築できる割には期待通りに動きます。このレイアウトの良いところは、遠心分離機をラインに沿って拡張できるので、生産量を調整しやすいところです。ちょっとした原子力発電くらいなら、Kovarex は一台でも十分ですが、発電規模に応じて増設していくことができます。

ただし、課題が全くないわけでもありません。

  • 初期状態から動かすには、手動でウラン235ウラン238を入れる必要がある(ラインに材料を流せば全自動で稼働するわけではない)
  • 遠心分離器内に80個のウラン235を保持してしまう(40個分余剰を持ってしまう)

みなさんはどのように Kovarex 濃縮を行っていますか?

Factorio

f:id:yayoi-tech:20190917171944p:plain