弥生研究所

人は誰しもが生きることの専門家である

成長には価値がある

皆さんは、次のような不安を感じたことがあるでしょうか?

  • 「自分がどれだけ成長できているか分からなくて不安」
  • 「もっと成長できる環境があるのかも」

実は、私もこのような不安は漠然と持ってきました。 でも、今はそのような不安はありません。 感じることはあっても、その感情に心を乱されなくなりました。不安をシグナルとして活用できるようになりました。私は、上記のような不安を感じる人に対して、成長することに価値はあるから、心おきなく成長する選択肢を選んでほしいと思い、この記事を書きました。

前提

私は、あなたの成長に興味があります。 実のところ、あなたの成長に興味を持つ人は少なくありません。 あなたの成長に興味がなくても、無意識では成長という価値観を重視している人もいます。

ユーザーはあなたの商品ではなく成長を買っている

ユーザーが本当に望んでいるのはあなたの成長です。でも、そのことを自覚しているユーザーは少ないかもしれません。ユーザーは商品やサービスに100%満足するわけではありません。どんな商品やサービスにも、どこかしら欠陥があるものです。でも、その欠陥がずっと提供され続ければ、ユーザーはそれを明確に不満として感じるようになります。ユーザーの表面だけ見ていると、ユーザーが無意識に本当に望んでいるものを提供できなくなります。

高級な寿司屋に行って、おいしい料理に満足したとします。でも、寿司屋の大将に「でも最近、自分が成長できてるのか不安なんですよね……」と言われたら、どんな気持ちになるでしょうか。たとえ、どんなに素晴らしい味やサービスを提供されていても、そんなこと言われたら残念な気持ちになります。それは、味やサービスの成長が止まっていると気付かされるからです。最初は受け流していた小さな欠陥も気になるようになります。そして、それらは改善されることは無いのかもしれないと、失望するのです。

確かに、あなたは自分が成長することによって対価を得ているわけではありません。良質な商品、良質なサービスを提供してこそ対価は得られます。サラリーマンでいえば時間効率の良い労働力を提供することが仕事なのです。でも、その良質な商品、良質なサービスがどこから生まれたかと言うと、それは紛れもなく、あなたが成長した結果から生まれたのです。成長をないがしろにすることは、今あなたが提供している商品やサービスをないがしろにすることになります。

誰かが成長させてくれると思うのは間違い

人事部や上司、マネージャーが、自分を成長させてくれると思っているのであれば、あなたは、いつまでたっても成長できないかもしれません。人事部や上司、マネージャーが優秀だと思ってはいけません。多くの組織では、サラリーマンはピーターの法則に従って無能になるまで出世します。あなたも例外ではないと思ったほうが良いでしょう。上司やマネージャーが、部下を成長させる能力を持っているとは限りませんし、そもそも人を成長させる意欲すら持っていないかもしれません。少なくとも、自分で自分をマネジメントしなければ、上司やマネージャーを超える成長はできません。自分の成長したいという欲望こそが、最も自分の成長に寄与してくれるのです。自分で自分を抑えつけてはダメです。

ポジションには満足できない

結果を出すためには、成長することが必要なわけではありません。経営戦略における、ポジショニングとケイパビリティの話に通じます。ポジショニングとケイパビリティの違いは、手持ちのカードで勝てる相手を探すか、手持ちのカードをより強力にするかの違いです。

でも、ポジショニングによって結果を得ても、満足できるのでしょうか。会社組織と人間は違います。例えチームの中で自己満足を得たとしても、「自分がどれだけ成長できているか分からなくて不安」「もっと成長できる環境があるのかも」。そんな心の声が消えるでしょうか。成長に重きを置いている、その価値観をかき消すことができるでしょうか。

どう思われるかではなく、自分の成長にフォーカスする

私は長らく、人から「できる人」と思われたくて悩んできました。実のところ、「できる人」「優秀な人」という評価は、昔から今に至るまで、それなりに得てきたのにもかかわらずです。人からの評価は蜃気楼のようなものなのかもしれません。つかんだと思ったら、また先にあるのです。

あるとき、私は、自分がどう思われるかにフォーカスするのではなく、自分自身の成長にフォーカスするようになりました。すると、ダメな自分が受け入れられるようになりました。ダメな人間だと思われることに抵抗がなくなりました。できる人を目指さなくなりました。ダメな自分が成長の出発点となり、ただ目的地までの道のりだけを見つめるようになったからです。失敗は失敗ではなくなり、道に転がるただの石ころになりました。苦労は苦労ではなくなり、道を歩けば疲れるのは当たり前、という感覚になりました。

自分を騙すような自己暗示は危険です。ダイエットをするためには、まず太っているという認識を受け入れる必要があります。自分は太っていないと暗示を続けたら永遠にダイエットは始まりません。自分の心の声を聴いてほしい。あなたは成長したいのではないですか?

本のすすめ

いくつか本を紹介します。読んだことがなければ、ぜひ読んでみてください。読んだことがあっても、再読することで、以前とは違ったものがみえるかもしれません。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

紹介するまでもない本かもしれませんが、私は七つの習慣の信奉者だからしょうがないんです。この本の中で、成長について思い出すのは、P/PCのバランスについてです。中でもイソップ寓話の「ガチョウと黄金の卵」は、たとえ話として的確です。まさに、成長には価値があるのです。

マインドセット「やればできる! 」の研究

マインドセット「やればできる! 」の研究

私が自分の成長にフォーカスする理由や、その他もろもろの全てを、この本が代弁してくれているように思います。硬直マインドセットと、しなやかマインドセットの違いを知るだけで、あなたが取るべき道筋が変わるかもしれません。

生き方はいろいろある

もしかしたら、あなたが求めていることはこちらかもしれないですね。

note.mu